母子の健康と患者様のお気持ちを大切に

経過観察とヒアリングに力を入れて”ローリスクなお産”となるように

048-571-7000

【面会時間】午後1時~午後9時
【アクセス】深谷駅(徒歩)12分,国道62号沿い

不妊症について

子どもが欲しいと思っているのに、いつまでたっても子どもに恵まれない状態を不妊または不妊症といいます。

「いつまでたっても」というのがどのくらいの期間をさすのか明確な基準はないのですが、だいたい2~3年と考えればよいでしょう。
健康な夫婦であれば、避妊をしていない限り約80%が1年以内に、90%が2~3年以内に妊娠するからです。

不妊症というのは、例えば急性肺炎とか、胃・十二指腸潰瘍とか、子宮頸ガンといったはっきりした病気の形をとるものではありませんので、病気らしい症状はありません。

不妊症の種類

夫婦の関係に入ってから、これまで一度も妊娠したことがない場合を原発性不妊症または一次不妊症といいます。
過去に1度以上妊娠するか出産していて、その後不妊の状態になった場合を続発性不妊症または二次不妊症といいます。

原因

妊娠が成立するためには、精巣(睾丸)で精子が、卵巣で卵子がそれぞれ正常な状態でつくり出され、正常な受精能力を持っている必要があるばかりではなく、精子と卵子が出会うためのいわば交通路、つまり女性の内性器である子宮や卵管が、正常な形と通過性をもっていなければなりません。
逆にいえば、これらの妊娠成立のために必要な条件のどれかに障害があれば不妊症の原因となるわけで、それには主に次のようなものがあります。

男性の原因

健康な男子が1回に射出する精液量は1~5ml(平均3ml)で、1mlの精液中に含まれる精子の数は6,000万~1億2,000万です。このうちの80%以上の精子は運動しているといわれます。

  1. 精子減少症
    1回の射精量が0.5ml以下や精液1ml中に含まれる精子数が4,000万以下の場合を精子減少症といい、妊娠にいたることが難しくなります。
  2. 無精子症
    精液中にまったく精子が含まれていない場合を無精子症といい、妊娠にいたることは不可能です。
  3. 精子無力症
    精子の運動性がまったくないか、著しく低下している状態を精子無力症といい、これも男性不妊症の1つです。
    精子減少症や無精子症は、停留睾丸や睾丸炎、その他の男性性器の病気や高熱がつづく病気などが原因でおこります。また、精子無力症は同じような原因のほか、全身疲労やある種のビタミン類の欠乏状態、あるいは肝機能障害などによってもおこるとされています。

女性の原因

  1. 卵管の通過障害(卵管閉塞症)
    卵管は、精子と卵子が受精する場所で、受精卵を子宮まで運ぶ通路でもあります。
    細菌感染などによって卵管炎がおこると、その後遺症として卵管の内腔がつまり妊娠ができなくなることがあります。
    この卵管の通過障害は、女性の不妊症の原因のなかで最も多くみられます。
  2. 排卵障害
    卵巣のはたらきが悪いと、排卵がおこらず無排卵となり、妊娠できません。月経のある人は、排卵があると考えてよいのですが、なかには月経があっても排卵のない無排卵性月経の人もいます。
    各種の性ホルモンが分泌されていないと子宮内膜がよく発育しないために、受精はしても受精卵が子宮内に着床できず、やはり妊娠にいたりません。
    また、膣内に射出された精子は、子宮頸管粘液のなかを通って子宮内に入りますが、ホルモンの分泌状態が悪いと子宮頸管粘液に異常がおこり、精子が子宮内に入れず受精が出来ません。

治療効果

不妊症は、肺炎とか胃潰瘍などのように、はっきりとした病変が認められるものではありません。それだけに治療の進め方も千差万別で、治療成績についても、この方法によれば何%が治るといったように数字で表すことが難しい治療方法です。

不妊症の原因別に考えると、受診して最初に行なわれるスクリーニング検査でほとんど異常がみられない機能性不妊症と呼ばれるグループが、子どもに恵まれる確率がもっとも高いようです。そして、高度の精子減少症や無精子症などの男性不妊、それに卵管閉塞症による女性不妊といったところが治療の難しい、言い換えれば子どもの恵まれる確率の低いグループといえるでしょう。

女性側によくみられる無排卵周期症(基礎体温で高温相がないもの)や、黄体機能不全症(排卵はかろうじて認められるものの、基礎体温では高温相があまりはっきりしていないようなタイプ)は、最近のホルモン療法の進歩、とくに排卵誘発療法の発達によって、以前に比べるとかなり高い確率で治療に効果があり、妊娠する人が多くなっています。

排卵閉鎖症に対しては、卵管に形成手術を行なって通過性を回復させようという手術療法が試みられています。これは、顕微鏡で見ながら手術できる手法が導入されてから治療成績がよくなっていますが、それでも妊娠する確率は20~30%です。
そのため、卵管閉鎖症に対しては手術療法よりも、むしろ体外受精の進歩に大きな期待がかけられているのが現状です。