(子宮口の状態、頸管長)と切迫早産
早産とは:
?妊娠36週までに生まれると早産、妊娠37週以降に生まれると正期産です。
?早産した児は未熟児です。
?体重が大きくても早産した児は、未熟児です。
?未熟児は体重が大きくても体が成熟していないので、死亡率が高くなります。
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正常の方は、
①頸管長(子宮の出口の長さ)は長く、
②子宮口は閉じている、
③頸管(子宮の出口)の硬さは、硬い、
❀このような状態であると早産する可能性は低いです。
❀この状態では、陣痛は来にくく、少しくらい陣痛が来ても早産止めの内服や点滴で軽快します。
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子宮口の状態が、①~③になると、早産し易くなります。
①頸管の軟化:頸管(子宮の出口)が軟化すると子宮口は開きやすくなります。
②頸管長の短縮:(子宮の出口を子宮頸部、子宮内へと通じる通路を頸管と言います)
✿頸管長(頸管の長さ)が、30㎜以上なら正常で早産しにくいです。
✿頸管長が25㎜以下に短縮すると、子宮口が開きやすくなります。早産し易くなります。
✿特に20㎜以下では、早産の危険が高くなるので入院して早産予防の治療します。
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★上図では、外子宮口は閉じていますが、内子宮口から(内側から)開いて、頸管長が短くなっています。近々子宮口が開きそうです。
❀頸管長は短くても、子宮口が硬かったり、児頭が下降していなければ、まだ数週間は持ちそうです。
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★上図では、内子宮口から(内側から)開いてきていて、頸管長が短くなっています。
❀その上、児頭が下降し子宮口を内側から押し開こうと圧迫しています。
❀近々、1~2週間くらいで子宮口が開きそうです。
③子宮口が開大:
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★上図では、子宮口が1㎝位開大、頸管長も20㎜以下と非常に短縮、頸管は軟化、児頭が下降しているので、かなり早産し易いです。すぐに入院し早産予防の点滴が必要です。
★上図の様だと1~2週間以内に早産する可能性があります。
★妊娠34週以前で、この状態でしたら、周産期センター(未熟児センターと産婦人科が併設されている病院)へ急いで母体搬送(子宮の中に胎児を入れたまま搬送)します。
★妊娠35週以降の方でしたら、当院に入院し早産予防の点滴を開始します。
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下図に様になると危ない、もう数時間∼半日以内に生まれそうです。
①子宮口は開大、
②頸管は軟化、
③頸管長も短く、
④児頭は下降、
⑤卵膜露出してる。
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★子宮口が大きく開いて卵膜が露出しているので、卵膜が破れやて破水しそうです。
★破水して羊水が流出すると、急に陣痛が始まります。
★超緊急で受け入れ可能な周産期センターを探し、救急車で母体搬送します。
(この様な差し迫った状態にならないうちに、早めに来院お願い致します)
ガイドライン産科編’14、 産婦人科外来での鑑別診断の手順と薬物療法’15、 産婦人科研修の必修知識’13
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