自己血輸血に備えて自己血貯血:
自己血貯血が必要な方:1~2の方です。
1.手術や分娩の時に、多量の出血が起こる可能性のある方は、手術や分娩の前に、すぐに輸血ができるように準備をしておきます。
多量の出血が起こる可能性のある方は、前回帝王切開、前置胎盤、低置胎盤、双胎、筋腫合併妊娠、前回弛緩出血(産後の出血が多かった)等の方です。
輸血の準備をして手術や分娩に臨みますが、実際に多量の出血がおこりる、輸血が必要になる方は、手術の場合で70人に1人、分娩の場合で200人に1人位です。
殆どの場合、輸血の準備をしても使われずに済みます。
2.特殊な血液型や不規則抗体陽性の為、輸血が必要になった時に、必要な献血の血液がすぐに手に入りにくい方。
輸血の準備には:
①献血の血液(他人の血液)を取り寄せる場合:
400mlを2本取り寄せる。16000円×2本=32000円かかります。
献血の血液の輸血の場合、費用がかかる上に、極々稀ですが、B型肝炎、C型肝炎、AIDS、パルボウィルス等が感染する危険があります。
②自己血を貯血する場合:
250mlを2本貯血します。1回貯血するのに3000円。2回で6000円で済みます。3回貯血することもあります。
自己血なので、実際に輸血する場合でも安全にできます。ご自分に献血するという感じです。
この為、自己血貯血をします。
献血の血液を緊急に取り寄せる場合、1時間以上かかります。取り寄せた血液の交差試験(その血液をその方に輸血して良いかどうかの適合試験)をすると更に1時間位かかります。その為緊急時に「献血の血液」を注文したのでは、すぐには輸血を開始できません。
自己血を貯血してあれば直ちに輸血開始できます。
貯血した自己血だけでは足りない程の大出血の場合には、「献血の血液」を取り寄せて輸血することがあります。
自己血貯血の手順
貧血予防の為、妊娠32週頃から、増血剤の服用開始します、
強い貧血があると貯血できないので、貧血の有無の検査します。
強い貧血がある場合は貧血を早く治すように増血剤の注射に数日します。貧血が治ったら貯血開始します。
手術や分娩する予定日の3~4週間位前から貯血をします。帝王切開や分娩の場合は妊娠34週頃から貯血開始します。貯血は5週間保存できます(テルモ採血バック)。
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