50】不妊: ₁₅₎通常の体外受精(IVF-ET)の手順。当院でできる事。

通常の体外受精(IVF-ET)の手順:
まず、これを御説明します。

①卵巣刺激(排卵誘発):
卵巣内には、直径数ミリの、小さな水が入った風船のような卵胞(内に卵胞液という水が入っていて卵が一個入っています)が多数あります。その中の1~2個が排卵日に向かって発育していき、排卵直前には直径23㎜程度になります。直径23㎜程度の大きさになると、自然に破裂して、排卵して、内の卵が1個出てきます。自然の場合はこのような経過をとります。
a)体外受精では、一度の多数の卵を採卵したいので、排卵誘発剤を用いて、たくさんの卵胞を育てます。又
b)日時を決めて採卵したいので、採卵前に排卵しない様に、ホルモンでコントロールします。

②採卵、採精:
卵胞が発育して、卵胞径が18㎜位になったら、経膣超音波で卵巣を観察しつつ、長い注射針を用いて、膣壁から卵巣内の卵胞を目がけて刺して卵を採取します。
同時に、夫には精子を採取していただきます。

③媒精:
精子を適当な濃度に調整し、採卵された卵と、1つの容器の内に入れて受精させます。

④培養:
その後受精卵の発育に適した培養液に入れ37℃で保温し湿度を維持し、受精卵の生育に適した窒素ガスN₂濃度の高い特殊なガス環境の中で培養して育てます。受精卵は24時間で2分割、48時間で4分割と分裂が進みます。

⑤受精卵の移植(胚移植とも言います):
採卵48時間後(2日後)に、4分割まで分裂が進んだ受精卵(4細胞期の受精卵)を、子宮内に軟らかい細いチューブを使って注入して移植します。


場合によっては、もう少し培養を続けて96時間後(4日後)の胚盤胞にまで発育させた受精卵を子宮内に移植することもあります。

⑥hCHの検出:
妊娠が成立すると、受精卵の移植後、2週間で尿中または血中にhCGという胎盤から分泌されるホルモンが検出されます。

 

当院でできる事:
当院で、生理の3日目頃から卵巣刺激(排卵誘発剤)の注射を毎日行い、3~4日毎に卵胞径を経膣超音波で観察し、排卵日近くなったら体外受精専門クリックを受診する日を決めます。
排卵直前になったらご主人と共に体外受精専門クリニックを受診。そこで採卵、採精、媒精をしていただきます。
その48時間後(2日後)に再び不妊クリニックを受診して、育ってきた受精卵を子宮内に移植していただきます。

✿✿✿つまり、最低限、①と②の2日間は不妊クリニックを受診しなければなりませんが、それ以外を当院で管理することによって、遠くの不妊専門クリニックに通院する回数を2~3~4回に減らすことができます。

【初めての不妊治療】小冊子,日本IVF学会監修、メルクセロノ。12,
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