06】分娩時: ₀₃₎胎児管理法(胎児元気かな?)、分娩監視装置(CTG) 

分娩時の胎児管理法(胎児が元気かどうか判定します)

分娩監視装置(CTG)で、分娩進行中に、胎児の状態が良いか悪いか監視します。

★陣痛が起きている時は、子宮が収縮して胎児を押し出そうとしています。胎児にストレスが加わります。。

胎児は狭い産道を通って出てきますが、産道内で陣痛の強い圧迫のストレスが加わるので、産道内で苦しくなり状態が悪くなることがあります。その為分娩進行中に胎児の状態が良いか悪いか分娩監視装置で監視します。

分娩監視装置(CTG)では、胎児の心拍数をモニターして下記の様にグラフに表示し、そのグラフから胎児の状態が良いか悪いか判断します。

 

分娩監視装置で胎児の状態をモニターして、
胎児の状態が良い場合は、胎児が下降するのをゆっくり待っていられます。
胎児の状態が悪い場合は、吸引や鉗子を使って早く生ませます。非常に悪ければ緊急帝王切開をしてでも早く生ませます。

分娩監視装置で胎児の状態をモニターして、胎児の状態が良ければ、分娩が長引いて2~3日かかっても、胎児が下降するのをゆっくり待っていられます。

 

分娩監視装置(CTG)のグラフの見かた:
CTG(分娩監視装置)のグラフの見かたは、妊娠後期のNST(ノンストレステスト)と全く同じです。

 


胎児の心拍数は、1分間約140です。胎児の心拍数が110~160の間にあれば正常(元気)です。

胎児心拍数のグラフよく見ると、細かな変動があってノコギリの歯の様になっています。胎児心拍数は6~25/分の細かな細変動(140±6~25の細変動)があります。細変動がある時は正常(元気)です。

胎動があると、胎児心拍数は走った後の様に一時的に増加します。胎動に伴って胎児の心拍数の一時的な増加があるときは正常(元気)です。

胎児の心拍数が少なくなって「止まってしまうかな?」と思われるくらい脈がゆっくりになる事があります。胎児の心拍数が少なくなること胎児徐脈と言います。胎児徐脈があるとグラフ上では黄色の部分まで下降してができます。胎児徐脈があると胎児の状態が悪い可能性があります。 胎児徐脈も軽度~高度と程度があります。又たまに起こる場合や頻繁に起こる場合とか、種々の場合があります。高度な胎児徐脈(グラフ上では赤い部分まで下降する深い谷が書けます)が頻繁に起こると危険です。


少し胎児徐脈があっても、胎児は必ずしも悪いとは言い切れません。しかし、注意して監視する必要はあります。
頻繁に高度の胎児徐脈があったり、細変動の消失を伴っていると「本当に胎児の状態は悪い」可能性が高くなるので、吸引、鉗子、帝王切開してでも、胎児を早く取り出す必要があります。

産婦人科ガイドライン’14

 

 

分娩監視装置(CTG): 子宮収縮(陣痛)が何分毎にきているかも記録されます。

子宮収縮(陣痛)が10分毎にきていると、陣痛開始とします。

 

陣痛間隔が4~5分毎になってくると、本格的な陣痛で、痛みもかなり伴ってきます。

 

陣痛間隔が3分毎で、分娩に近くなっています。


※上記CTGの図は、わかり易い様に、紙送りを1㎝/分として表示しています。

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